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あやしあやかし:3

ただいま、です!帰って参りました。うん、楽しかったです、よ。
う、嘘じゃないもん!ほんとだもん!楽しかったよ!?おいしかったし!某有名レストラン(完全予約制)に行って、お買いものして、海行って日付が変わるまで歌いまくりました。のどいたい。やっぱり温泉って、いいよね!
妖怪パロも三つ目です。今日は清正と幸村のターン!
え、と、狗憑きの呪法とか、調べちゃだめです、よ…。





物心つくころより、平常の人とは異なる世界が見えていた。しかしそれは見える、聞こえるだけであり、幸村自身にはそれらを祓うことも浄化する力もなかった、けれど幸村の生まれ持っての穏やかで純真無垢な性質の為か、幸村に妖は魅了され、異形のものを次次と引き寄せてしまうことも多々あった。
首のない女や、どろどろと血肉の溶けた化け物の恨み言を耐えることなく聞き続けなければならない苦行に怯える幸村に、父昌幸はひとつの呪物を与えることを決めた。古来より伝わる蟲毒に近い「犬憑き」の呪を昌幸は躊躇いなく幸村に架したのであった。
膝を抱えて部屋の隅に縮こまる幸村の前に、昌幸はしゃがんで頭をやさしくなでた。
声が聞こえる、殺してやるって、絶対許さないって。
ぽろぽろと涙をこぼして父親に訴える。その言葉の意味を十分に理解できる年齢ではないが、憎しみを訴えているということは子どもながらに理解しているのだろう。否、子供だからこそ、負の感情を殊更敏感に感じとってしまうのだろう。悲しい、怖い、と幸村は泣く。
「泣くな、幸村。ほら、お前にいいものをやろう」
柔らかな父の声を受けて幸村は赤く腫れた瞼を持ち上げ、父を見仰いだ。昌幸の両手のなかには小さな子犬が一匹幸村を見つめている。
「わぁ、」
瞬く間に幸村の瞳にはきらきらと輝きが生まれた。子犬は白灰の毛並みをもち、光にあたっては銀色に煌めいていた。子犬にしては目つきは些か鋭いが、もこもこと温かい毛で覆われた小さな存在に幸村は心を奪われ、破顔した。
「わんわん!」
幸村の両手が子犬へと伸ばされた。
「わんわん、わんわん!」
泣いたカラスがすぐにわらう。
「そいつの名前はきよまさだ、よんでやれ、」
「きよまさ?」
「ああ、清く正しく。呪物にしては上等な名前だろ。こいつがこれからお前を守ってくれる、お前が望むように、お前が一人でも寂しい思いをしないように」
神妙な顔つきになる昌幸を幸村は見つめている。清正を腕に抱いたまま、父の言葉を聞き逃してはいけないと本能が告げるのだろう。
「代わりにこいつの腹を十分に満たしてやるのが、お前の役目だ」
こくん、と幸村は首をひとつ縦に振ったのであった。        

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